ange-ftp



今日紹介する技は「ange-ftp」というものです。これを使うと、FTP サーバ上の書類を mule で直接編集できてしまいます。なお、主に 「WWW 情報発信実験」 に参加している方を対象に書いています。FTP サーバとしては、ECC 内部から user.ecc.u-tokyo.ac.jp を利用することを想定しています。

他の FTP サーバを利用する場合にもここで挙げる技は使えますが、ECC の uxXXX (UNIX サーバ) では ECC の外部には接続できません。外部のサーバを利用したい場合には、as301 - as304 (アプリケーションサーバ) を利用しなければならないということにご注意ください。

FTP サーバ上に書類を置いておき、それを更新したい場合 (たとえば、user.ecc.u-tokyo.ac.jp にウェブページを持っている場合など) には、ローカルでファイルを編集しては ftp や webput でサーバに送り込み、という作業をすることになるでしょう。しかし、 ange-ftp を使うと、ローカルにあるファイルを C-x C-f で開くのと同じような感覚で、put する手間もなく編集できてしまいます。なかなか優れものなので、今回はこの使い方を紹介します。

ログインする・ファイルを開く

FTP サーバ上のファイルを開くためには、まずサーバにログインしなければなりません。mule で、C-x C-f (Control + x Control + f) と打ち込んでみてください。これは、普通にファイルを開くときと同じです。

上の図のように、ミニバッファに "Find file:" と表示されます。その後に "~/" などとパスが続くでしょう。そのパスは全部消してしまってください。そして、"Find file: " の後に、"/[ユーザ名]@user:" もしくは "/[ユーザ名]@user.ecc.u-tokyo.ac.jp:" (頭の "/" と最後の ":" を入れるのを忘れないようにしてください) と打ち込んで、Return またはTab を押してください。また、ユーザ名は何も指定しないと UNIX のユーザ名 (つまり、あなたのログイン名) になるので、"/user:" でも可能です。

開きたいファイル名をミニバッファに打ち込んだら、いつもと同様に Return です。これで、開きたいファイルを、ローカルに置いてあるファイルと全く同様に開けるはずです。

すると、"ftp" コマンドを使うときと同様、パスワードを聞かれます。

そこで、パスワードを打ち込んでください。打ち込んだ文字は "..." になるので、他人にパスワードが見えてしまう心配はないので、ご安心を。

さて、これでログイン完了です。普段 mule でファイル名の補完をするように、試しに Tab を押してみましょう。

コマンド "ftp" を使ってログインした直後のディレクトリで ls したのと同じように、ディレクトリの中身が表示されます。無事にログインできた、ということでしょう。ここで、ルートディレクトリ "/" を起点に、"/.public_html" 以下にあるファイル名を打ち込んでみてください。Tab キーで、ファイル名やディレクトリ名の補完もできます。

編集・保存

ファイルが開けたら、あとは普段 mule でファイルを編集するのと同様に編集すればよいのです。そして、このへんで保存……と思ったら、普段と同様に "C-x C-s" と打ち込みます。

"Write file" と表示され、保存されたらしいことがわかりました。実際に WWW 経由でアクセスして確認してみてください。きちんと変更されていることでしょう。手元で編集してから "ftp" や "webput" で put するのと同じですね。

ターミナルで直接ファイルを指定

今紹介したのは、mule を起動している状態でファイルを指定して開く、という方法でした。mule がまだ起動していない状態から mule を起動し、いきなり ange-ftp を使って ftp サーバ上のファイルを指定して開く方法もあります。普段、"mule [ファイル名]" としてローカルのファイルを開くのと同様です。

mule /([ユーザ名]@) user: [ファイル名]

で開くことができます。たとえば、

mule /user:/.public_html/index.html

といった具合です。

ange-ftp のしくみ

この ange-ftp というのは、 "ftp" "webput" などと同様、FTP クライアントの一種なのです。「直接 mule でftp サーバに入っている」という感覚ですが、やっていることは「ログインする→指定したファイルを開く = get して mule で開く → 保存 = 変更したファイルを put する」という作業なのです。普段、編集しては put し……という具合にやっている作業を、mule を介して楽にやっているだけなのです。

ange-ftp の利点と注意点

ange-ftp には、長所もたくさんありますが、同時に注意しなければいけないこともあります。それらの点をここで列挙しておきます。

ディスク容量の節約
user サーバ上と、UNIX のホームディレクトリの .public_html の両方に同じファイルを置いている方は多いでしょう。ange-ftp を使って編集すれば、user サーバ上だけにファイルを置いておいても用は足りてしまいます。つまり、ローカルに同じものを置いておく必要がないぶん、ディスク容量が節約できてしまうわけです。
とにかく楽
頻繁に WWW ページの更新をする場合、わざわざ編集しては put して、というのは少々煩わしくなってくるかもしれません。ange-ftp は、そんな手間を省いてくれます。
上書きの危険
これは注意点ですが、せっかく ange-ftp で user サーバ上のファイルを編集しても、ローカルに置いてある同名のファイルまでは変更されません。ange-ftp で編集後、ついうっかり "ftp" や "webput" で同名のファイルを送り込んでしまうと、せっかく編集したファイルも上書きされてしまいます。「このファイルは ange-ftp でだけ編集する」と決めたら、同名ファイルをローカルで扱わない、もしくは ange-ftp で編集するたびに webget でローカルのファイルも最新状態に保っておく、などの注意が必要です。

次回予告

来週の技は「dired を使いこなそう」です。mule 上からファイルやディレクトリを改名したり、削除したり、パーミッションを変えたり……と、覚えておいて損はない技です。次回もおたのしみに!


Last modified: Friday, 07-Nov-2003 19:09:14 JST
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